創作メモ

　

|>ミシェル・ハッター
　３６さい。黒髪金目。ゆるふわウェーブ。草臥れたシャツ。「嬢ちゃん」「坊ちゃん」呼び。
　本業の帽子屋依りも序でにやってる喫茶店の方が儲けて本人涙目。そんな彼を見かねて友人達は口を揃えて「此の御時世に帽子売り何ざ正にイカレた帽子屋だ」何て云うけれど、寧ろ其の言葉が詰まらない矜恃と負けず嫌いな性格を刺激し、喫茶店を週休六日に設定させたと云うのは云う迄も無い。其の所為で貧乏なのも云う迄も無い。
　時間と他人の事に割と無頓着で直ぐに約束を忘却したりする為に好く御自慢の片眼鏡に時間を書き込んだり、御自慢の帽子にメモを糊付けする。が、片眼鏡は時間を逆に視せるし頭の上のメモを如何に読むと云うのか。
　ヘビースモーカー、御陰様で味覚狂いで紅茶の味何てちっとも判らない。でも最近少しだけ其の事に危機を感じ、禁煙のつもりでキャンディを舐めているのだけれども今度は糖尿病になりそうで在る。


「いッそ喫茶店に帽子役立てろたッて、
　何で俺の御自慢の帽子を洪水にしなきゃいけないんだよ」　
「マスターッて呼ぶな、俺は帽子屋さんだッて何度云えば済むんだよ！
　其れとも何だ、御前さんはメイド気取りか何かか？………嬉しくねえよバァカ！」
「帽子が避けるのは日光だけじゃあ無い。人の視線、視たくない物も全部避けてくれる。
　ンでも若い内はこんな物で視界狭め無いでだな、単純に広い世界拝んどけ。」